フッ素塗料について
フッ素塗料はJIS規格のなかの塗料の寿命の長さを決める基準「耐候型」の最上位である一種にはいる強い塗料です。
ですが、正直なトコロ、私はオススメしません。
理由は大きく2つあります。
・肝心のフッ素塗料は一回しか塗らない
・おどろくほど汚れやすい
この2点です。

塗装の膜が劣化する理由は、太陽光の紫外線です。
紫外線は波長が短いため、電磁波の持つエネルギーが大きいという特性を持っています。
ですので、紫外線は物質に吸収されたとき、物質の構造を変化させる作用があります。
屋外に置いておいたビニールが枯れ葉のようにボロボロになるのはこのためです。
紫外線エネルギー410kJ/molに対して、
アクリル系塗料の分子間結合エネルギーは 365kJ/mol
ウレタン樹脂の分子間結合エネルギーは 379kj/mol
シリコン樹脂のシロキサン結合エネルギーは 444kj/mol
フッ素樹脂の結合エネルギーは 414kl/mol
このように結合エネルギーだけを見ればフッ素は最強ではありません。
また、紫外線が到達する深さは0.1ミリと言われています。
通常、仕上げ塗料を一回塗ると0.05ミリの厚みになるので、2回塗って0.1ミリです。
肝心のフッ素塗料は一回しか塗らない
これは、日本ペイントさんの「DANエクセル水性フッ素」のカタログから引用しました。
中塗りは「DANエクセル水性フッ素中塗り」となっていますが、コレの中身はウレタン樹脂です。
ですので、主原料がフッ素樹脂である塗料は、上塗りの「DANエクセル水性フッ素上塗り」も一回塗りになります。
このように、フッ素塗料の厚みは紫外線到達する深さに達しないのです。
驚くほど汚れやすい
フッ素塗料は、紫外線に強く長期間光沢を保持する塗料ですが、帯電性が高いという難点があります。
風が吹くと塗膜の表面に静電気が起きるのです。
下敷きに髪の毛が引き寄せられるように、汚れやホコリが塗膜の表面に引き寄せられていくのです。
ですので、一見光沢があっても汚れにくそうですが、実は汚れやすいのです。
訪問販売の営業マンが「フッソ加工のフライパンなら汚れがこびりつきませんよね?あれと同じでフッソ塗装した外壁は汚れません」と言ってるそうですが、事実ではありません。
これらの点から、私はフッ素塗料はオススメをしておりません。